2023-01-01から1年間の記事一覧

2023年の8月1日は雨が降った。 7時に家を発ち19時頃帰宅する。そのときのみ外の空気を吸う生活では、日々の天気や気温から受ける影響は小さい。新生活になって変化したことの一つだ。 毎年ただひたすらに強い日差しの降る8月1日が、心底憎かった。 今は好き…

国境の南、太陽の西

この小説はフィクションだ。なぜならハジメはイズミを深く傷つけ、彼女の表情を奪うことから始まったから。 「傷ついた分だけ優しくなれる」 そんなのは、嘘だ。 なぜなら私たちは傷つき、奪われることによって初めて誰かを傷つけ、何かを奪うことができるか…

アフターダーク

世界は広い、という表現よりも世界は沢山ある、という表現の方が正しいと私はよく思う。 そう、世界は沢山ある。なぜなら、人の数だけ世界があるから。 村上春樹は世界の多さを、善と悪という二種類の世界に例える作家だ。本当はもっと沢山、無限に世界はあ…

うさぎ

色んな人の色んな目を見た。目の奥をいつも見たかった。目の奥には意味があると信じてた。何かがあるんだって、私に対してかならずなにかを発信しているって。 色んな人の顔を見た。脳裏に焼き付けようとした。顔、顔、顔、顔。焼き付けたかった。思い出した…